【Watchmod】カスタマイズは違法なのか?不正競争取引防止法の強化を説明します。

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お疲れ様です。

皆様のおかげで、腕時計のカスタマイズサービスは5期目を迎えられそうです!

カスタマイズしてきた時計の数は何と累計1000本を超え、ありとあらゆるデザインに挑戦させていただけました。

これからもぜひよろしくお願いいたします。

今回は法改正や取り締まりの強化に対応した、新しいガイドラインを説明いたしますのでご一読くださいませ。

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表題の件ですが

昨年の中ごろから、文字盤が関税で没収されることが多発しておりました。

個人使用なら問題がなかったため、お客様の購入代行を利益も手数料も加えずになんとか手配しておりました。

つまり個人消費の輸入代行を行っているだけという主張でした。

この時はまだ税関による取り締まり強化であり、

送り主と受け取り手のどちらかに商号がある場合、税関に没収される程度でした。

最近では不正競争防止法において、商標権の保有者の許可なくカスタマイズして販売することがほぼ違法になりました。

つまり、私が中古で仕入れた時計を新しいパーツに交換して販売した場合、法律に引っかかる可能性があると言うことです。

これは腕時計に限った話ではなく、アパレルや車、バイクに関しても同様のようです。

よくある例としては

履かなくなったデニムパンツを解体してトートバッグを作るハンドメイド作家がいたとします。

有名ブランドのデニムを仕入れ、ブランドの商標が記されたパーツを再利用して

「○○(ブランド名)のデニムのリメイクトートバッグ」

として販売するとブランドから訴訟される可能性があると言うことです。

今やスニーカーペインティングや古着のリメイクなどが世界で流行っている副業として取り上げられておりますが、これらも訴訟の対象になり得ます。

さらには、前述のようなリメイクを人に依頼すると、依頼されて作った人も不正競争取引防止法の幇助になり、依頼主と製作者で5:5の割合で罪を被ることになります。

正直、幅広いジャンルの修理業に制限を設けられることになります。

時計においては

この、カスタマイズと商標権の問題は海外でも十分に法整備が行き届いていないにも関わらず、日本が独自でかなり厳しい線引きをしていると、私は感じます。

詳細はHODINKEEの記事をどうぞご覧ください

In-Depth: スイス連邦裁判所、ロレックスとカスタマイズ業者のアルティザンズ ドゥ ジュネーブとの訴訟に判決を下す
前例となった重要な裁判として、スイス連邦裁判所はアルティザンズ ドゥ ジュネーブの個人カスタマイズ事業を継続できるとしたが、これは複雑な問題だ。この訴訟は、誰がカスタマイズできるのかという大きな疑問も提起している。

ロレックスにおいては、有名なカスタマイズ業者が訴えられており、現在係争中です。

この内容を抜粋すると

カスタマイズ自体は合法の可能性が高いんです。

所有者が所有物を個人の使用の範囲では自由であるという法律があります。これを情報の消尽またら権利消尽の原則といいます。

記事抜粋

商標権者が商品を販売したあとは、それが個人的な使用のためである限り、買い手がその商品で何をしようとも、商標権者はコントロールすることはできない

https://www.hodinkee.jp/articles/swiss-high-court-rules-on-lawsuit-between-rolex-and-customizer-artisans-de-geneve

 

このカスタムした時計の画像を実績紹介やカスタム例としてSNSやブログに掲載するのはグレーのようです。

依頼主からカスタマイズの依頼を受けたとしても、広告では

「ロレックス、またセイコーの時計をこのようにカスタマイズしました!」といった具合に第三者が商標権を使って集客している状態が発生してしまいます。これはその商標の価値を当事者が関与しないところで落とすことも可能であるということになり、権利侵害になり得るわけです。

しかしこのような投稿や広告がなければカスタマイズ業は成り立ちません。完全に合法でやるにはお客様の投稿を引用するしかなさそうですね。

複数の権利の適応範囲の話になり、考えさせられる記事なので、ぜひご一読ください。

In-Depth: スイス連邦裁判所、ロレックスとカスタマイズ業者のアルティザンズ ドゥ ジュネーブとの訴訟に判決を下す
前例となった重要な裁判として、スイス連邦裁判所はアルティザンズ ドゥ ジュネーブの個人カスタマイズ事業を継続できるとしたが、これは複雑な問題だ。この訴訟は、誰がカスタマイズできるのかという大きな疑問も提起している。

もう少し踏み込んでお話しすると…

Hodinkeeの記事によると文字盤についているインデックスはもちろん、ロゴや商標などを一度取り外し、配置し直すことも、カスタマイズの一環で合法なんだとか。

長い歴史によって積み上げられた腕時計の修理技術の1つにリダンというものがあります。

色褪せや、焼けなどの経年劣化した文字盤のインデックスやロゴなどを全て外して、再度塗装や焼き付けえを行い、作り直す技術があります。

仕様や品番などの表記が文字盤に印刷されている場合は転写すら行います。

この技術を用いると、

文字盤上にあるロゴやエンブレム、インデックスを好きな場所に配置し、色すら変える事ができます。

文字盤本体の形は簡単なものなので素材を変えることも容易です。

こうして完成した文字盤もカスタム品として扱われるようです。

スイスの裁判では、この文字盤は商標権を侵害するものではないと判決を下しています。

意外にもこれ、許される範囲内なんですね。。

あら、不思議。

というわけで腕時計のカスタマイズサービスは

既製品、もしくは保証書ありきのカスタマイズのみ承るようにいたします。

みなさま、今までグレーなことにお付き合いいただき、ありがとうございました。

世界市場と比較すると…

先日、東京でandoandoando designの安藤さんから聞いたのですが

海外のseikomod界隈も、この商標に関する考えは二極化しているようです。

もちろんseikoの名前を使っている方が目立ちますから、みなさんが目にする機会も多いかと思います。

日本でのseikomodに関する情報は私を除くと海外のアカウントばかりですよね。

カスタムウォッチ市場自体が、海外に比べて未熟な日本にも関わらず

海外よりも厳しい基準で、取り締まられてしまうんです。

こりゃ大変だ。

確かに、seikomodはお隣の某国を除いて、

経済的先進国のアメリカと日本では人口比率では、カスタムウォッチ文化は根付いておらず、シンガポールやマレーシア、ドバイなどのいわゆる後発国と呼ばれる国々でとても盛んなのです。

国内でもパーツを選べるBTO的なウォッチブランドは幾つかありますが、そのほとんどがmiyotaというシチズン系の規格を用いています。

セイコー規格を持ちいた本格的なBTOブランドとして、当サービスを発展できればと考えています。

もっと有名になってフランチャイズ化して、

店舗に足を運び、その場で組み上げてくれる時計屋さんを目指して活動してまいります!

今後のガイドラインについて

ひとまず、今後のご依頼は以下のものに限って承ります。

  • セイコー正規品のカスタマイズ
  • お客様自身でお手配いただいたパーツの組み立て(個人使用に限る)
  • Ocτanτブランドの製品

これらのみ、対応いたします。

正直、取り締まりがより一層強化された2023年末くらいから売り上げが激減しているにも関わらず

自ら仕事の幅を狭め、お断りしている依頼もあるので個人的には厳しい状況ですが

ここで心機一転やり直そうと思います!

ぜひみなさま、引き続きご贔屓にしていただけますと大変助かります。

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