【SEIKO MODS】7S36・7S26のゼンマイの解き方。時計が動いたままじゃ、針も交換できない。

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モノ選び

お疲れ様です。

セイコー5の記事はどんどん閲覧数が増えてきていて

非常に励みになっております佐藤です。

私もまだまだ時計修理初心者なので

参考にしているブログなどもたくさんありますが

初心者の目線で

どこのサイトよりもわかりやすく、

かゆい所に手が届いている内容を作り上げていきますので

よろしくお願い致します。

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早速表題の件ですが

今日はセイコー5ならではのムーブメント

7S36(7S26も含む)のゼンマイの解き方の手順を紹介します。

画像をふんだんに使用してまいります。

ぜひこの記事を見ながら解体に挑戦してみてください。

ゼンマイを解くとは。

過去記事で、7S36のスペックを紹介したように

このムーブメントには

時刻調節時に秒針を止める、セコンドハック機能がついていません。

つまり、リューズ操作中にも秒針が動き続けます。

【SEIKO MODS】セイコー5の品番・ムーブメント・構造まとめ。
お疲れ様です。ここ2週間ほど、時計に関する過去記事が結構人気で、本当にうれしいです!マニアック過ぎたかな?って思ってたので意外過ぎました。早速表題の件ですが・品番の種類・ムーブメントとテクニカルガイド・よく外すパー...

これがどう問題かというと、

時刻調節する際にリューズ2段階引いても

分針も時針も秒針に伴って動き続けてしまうのです。

よって針付けが正確に行えなくなります。
(長針も短針も12時位置で一致しないなど)

基本的に時刻調節するためリューズを引くと、

ゼンマイ(香箱)から輪列をはなし、動力が伝わらないようにします。

そうすることで秒針や分針を動かしている歯車がかみ合ったまま

回転運動を止められるからです。

その動力を絶つことができないのであれば、

自動巻きによって巻かれているゼンマイを解(ほど)くほかありません。

つまりゼンマイ自体の動力を失わせるということです。

こんな作業は、セイコー5ならではかと思います。

意外と、この手順を紹介しているサイトが少なかったので

手厚くご紹介します!

手順

①ローターを取り外す

②伝え車をはずす

③コハゼを緩めながら角穴車を反時計回りにまわす。

簡単に順序をせつめいすると以上のとおりです。

手順自体は少ないのですが

いざ目の前にすると、ビビりますよ!笑

ローターを取り外す

大概のねじは
・外す、緩めるときは反時計回り
・着ける・締めるときは時計回り

にまわします。

これは時計業界でも基本です。

ローターは自動巻き機能を担う最重要なパーツです。

扇形の重りがあるからこそ、

日常的な動作でローター自体が回り、ゼンマイが巻かれ続けます。

ローターは中央のねじで固定されています。

img_2394

このねじはローター本体と解体ができません。

ローターとねじの間にベアリングがつけられているので

ほぼ一体化しています。

時計のパーツとしては大きいほうなので

なくすことがないとは思いますが

傷つけないように大切に保管してください。

セイコー5のほとんどのモデルはシースルーバックなので

ローターに傷が付いていると「あちゃー」って感じですね。

そんなときはカーボンファイバーピンセットがおすすめです。

伝え車を外す

一般的な時計だと丸穴車のような役割をもつのがこの歯車。

丸穴車は手巻き機能が付いている時計ではリューズとゼンマイ(香箱)

と連動するのですが

なんつったってセイコー5。

手巻き機能が付いてないです。そのかわりに

効率よくゼンマイを巻くマジックレバーにつながる歯車がの名前が

伝え車です。

↓こちらのHPをご覧ください。

マジックレバーの仕組みについて
https://museum.seiko.co.jp/knowledge/trivia04/
(出典:セイコーミュージアム 小さなマジックレバーの大きな役割 より)

img_2393

ご覧のように、マジックレバーが伝え車をはさんでいます。

これが超特殊なんです。

こんな構造、他社の時計にはないです。(たぶん)

マジックレバーはローターがどっちに回転しても

ゼンマイを巻き上げる機能を持ったレバーです。

他社の時計だと

ローターのどちらか(反時計・時計回り)一方の回転にだけ

ゼンマイを巻けられるようになっています。

ローターがどちらに回ってもマジックレバーが特殊な動きをすることで

伝え車を一方向に回し、ゼンマイを巻き上げます。

無駄なく巻き上げるらしいですが、巻き上げ効率は微々たるものだと聞きます。

そんなマジックレバーにつながっている伝え車がもまた特殊な見た目をしています。

img_2395

ねじ頭に3本の筋が入っています。

これは逆回転を意味するようです。

解体時も、組立時もねじを回す方向には気をつけてください。

ちなみに、高価な精密ドライバーと安い精密ドライバーは

まったく安定感が違いますから

ぜひベルジョンをおすすめします。

コハゼを緩めながら角穴車を反時計回りにまわす。

いきなり難しそうになりましたよね。

仕組みがわかればかわいいもんです。

伝え車を外すと次はゼンマイを解く作業です!

まずコハゼとは

img_2392

青い線の右隣にある棒状のパーツです。

点線部分は角穴車の下側を通っているので見えません。

この棒があるおかげでゼンマイ(香箱)全体が逆周りしないのです。

img_2391

どうやら7S36はローターによって

時計回りにぜんまいが巻かれていく形のようです。

角穴車の歯車(カナ)がコハゼに引っかかって逆回転を阻止しています。

ゼンマイを解くためには

このコハゼをずらし、引っかかりを外す必要があります。

img_2390

しかし、このコハゼをずらすだけでは

ゼンマイがチョロQのようにすごい勢いで解けてしまいます。

するとこのゼンマイ(香箱)に繋がっている秒針や分針の歯車も

すごい勢いで回ってしまい、ムーブメント全体が損傷してしまい、

オーバーホールどころの問題では済まなくなります。

写真にもあるように、角穴車マイナスドライバーで制御しながら

コハゼをずらす必要があるのです。

これが

コハゼを緩めながら角穴車を反時計回りにまわす作業です。

img_2389

画像の①でコハゼをずらし

②を反時計回りにゆっくりとまわすことで

徐々にゼンマイがほどけていくのです。

ギャンギャンにゼンマイが巻かれているときは

驚くほどの力で戻されそうになるので

覚悟してください。

甘く見るともれなくムーブメントが再起不能になります。

買いなおしですね。

この作業が終わると秒針は止まり、

自動巻きの部分も外されているので

角穴車を回さない限り、ゼンマイが巻かれることはありません。

ここまできたら巻き芯を抜き、ムーブメントを取り出し、

針を取って文字板入れ替えるなり、針を付け替えるなり

好き勝手できるようになります。

コハゼをずらす作業のように、ピンセットは

つまむだけではありません。

できるだけ先端が細いピンセットが好まれますが

つまんだときにパーツを傷つけるのも考えものなので

定番のものか、

テフロン加工されたピンセットがおすすめです。

ムーブメントの取り出し方

意外と雑な方法です。

といっても私も正しい取り外し方という認識がないだけかもしれません。

①オシドリを使って巻き芯を抜く

②てこで浮かす。

オシドリを使って巻き芯を抜く

オシドリというリューズ操作に関連するパーツがあります。

その名の通り、

(巻き芯を)オシ(て)とり(ます)

画像にある、丸い凹みをピンセットで押しながら

巻き芯を抜きます。

この丸い凹みは、リューズを1段回でも引いてあると隠れてしまいますので

必ず押し込んだ状態で探して下さい。

てこで浮かす

巻き芯を抜いたらリューズ周辺にはスキマがたくさんあります。

img_2386

このスキマにやさしくピンセットを引っかけ、

img_2388

えい!っとケースの淵を支点にして、

てこの原理で浮かせます。

ちなみに、時計をいじるときには、

導電性のマットがあると便利です。

ゴムっぽいさわり心地ですが

電気を通すので、パーツが静電気を帯びるのを防いでくれます。

あと、色が特殊なので、パーツを見つけやすいです。

いかがでしたでしょうか!

やってみると、意外と簡単です。

しかし、気を抜くとねじが飛んでしまったり、

歯車ごとなくしてしまいかねないので

気を張って施工してください。

今回紹介している工具は

前回紹介したものよりも、グレードアップしたものを紹介しています。

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ぜひ解体中に使いにくさを感じたら

別のメーカーのものを使ってみるのも勉強になります。

概ねの工具はベルジョンかMKS(明工舎)でそろえることができます。

いろいろ試してみて、ぴったり当てはまるものを探してみてください。

工具のレビューなんかもやってみようかな。

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