お疲れ様です。
ここ2週間ほど、時計に関する
過去記事が結構人気で、本当にうれしいです!
マニアック過ぎたかな?って思ってたので
意外過ぎました。
早速表題の件ですが
・品番の種類
・ムーブメントとテクニカルガイド
・よく外すパーツの英語名
これらについてまとめていきます!
品番の種類
セイコーは品番の見分け方を公表していないので
私の知る限りでの共通法則です。
セイコー5の品番は
・シリーズ
・色
・生産国
・バンド(ベルト)種類
4つ項目に分けることができます。
具体例を用いて説明していきます。
[セイコーインポート] 腕時計 セイコーimport SEIKO 5 SPORTS(セイコー ファイブ スポーツ) オートマチック デイデイト SNZG17JC 逆輸入品 ブラック
この時計はseiko5 SPORTSのミリタリーウォッチです。
セイコー5には珍しい黒メッキの渋かっこいいモデルです。
この時計の品番SNZG17JCは
このように分けられます。
シリーズ
シリーズに関してはめちゃくちゃ種類が多いので
好きなシリーズだけは覚えておくとお店で探すときに便利です。
今回は特徴的なシリーズだけ紹介しておきます。
リューズが4時位置…SNK SKX など
レディース…SYMA SYMB,SYMD,SYMK など
手巻き機能つき…SRP SRPA SRPB SRPC など
ちなみに、シリーズ名が4文字のうち、
後ろ2文字がスタイル名になっていたり、
手巻き機能付きのSRPシリーズのように
最期の1文字がA,B,C,Dとアルファベット順になっているものもあります。
この場合は、文字盤の装飾などによるランク分けがなされているのだと思います。
定かではありませんがね。
色
色番号は比較的簡単です。
たとえば先ほどのSNZG17JCの色違いを調べよるのであれば
色番号に2ずつ足したり引いたりして検索してみてください。
たとえば色番号を-2したSNZG15と検索すると
[セイコーインポート] 腕時計 セイコーimport SNZG15JC 逆輸入品 ブラック
SNZG17JCと同じ黒文字盤で
・艶消しのシルバーのケース
・ナイロンベルト
この組み合わせの色違いが出てきます。
さらにSNZG15から-2してSNZG13で検索すると
[セイコー] SEIKO 5 スポーツ 腕時計 自動巻き メカニカル 海外モデル 日本製 SNZG13J1 メンズ [逆輸入品]
SNZG17JCと同じ、黒文字盤に
・ツヤありシルバーのケース
・メタルバンド
の組み合わせ。
SNZG09で検索すると
[セイコー] Seiko 5 Sport Automatic Khaki Dial Mens Watch SNZG09K1 [並行輸入品]
カーキ色の色違いが出てきます。
奇数続きや、偶数続きで検索していっても
色違いが出てこない場合は、連番で品番登録してあることもあるので
「なんか他にも良さげな色違いないかなー?」
って調べてみてください!
結構楽しいですよ!
生産国
3つ目の項目です。
これは2つしかありません。
Jであればmade in Japanつまり日本製です。
Kであれば海外製です。
私の所属する時計屋さんでは
日本製をJ品番
海外性をK品番と呼んでいます。
海外のどこで生産されているかまではわからないんです。
一説によると、
日本製でも海外製でも性能や品質はかわらず、
中東アジアの富裕層向けにJ品番をを作っているとのこと。
さらには中東アジアの法律にしたがえば、
生産国表示は、メーカーの本拠地を示すため、
セイコーが手掛けた時計なら、
中国で作ろうが、アジアの国で組み立てようが
すべてmade in Japanという表記になるのだとか。
ブラックボーイの海外製と日本製の違いについてはこちらをご覧ください。
バンド種類
バンドの種類は曖昧で
メタルバンドの品番がない時計もあります。
海外製と日本製それぞれに
1,2,Cの数字とアルファベットを用いてあらわします。
海外製:K1,K2,KC
日本製:J,J1,J2,JC
ケースと文字盤の組み合わせは気に入ってて
バンドだけ気に入らなければ
この6通りで検索してみてください。
ムーブメントとテクニカルガイド
セイコー5で使われているムーブメントは
・7Sシリーズ
・4Rシリーズ
・4200シリーズ
この3つです。
先ほどの品番の中のシリーズ名で
おおよそのムーブメントの予想ができます。
ムーブメントのサイズや性能が違えば
もちろん構造やパーツ構成も異なります。
それぞれにテクニカルガイドと呼ばれる
解体と組立方法とパーツリストのリストが存在します。
私のブログでも何度か用いているこの画像です。
時計業界にいれば、オーバーホール中になくしたパーツや
破損していたパーツ単体をオーダーすることもできます。
この書類をみているだけでワクワクします。
そのテキストの手に入れ方は
メーカーによって異なりますが
「ムーブメント番号 technical guide」
と検索すると出てくることが多いです。
特にセイコーはめんどくさく、
同じスペック、構造でも
セイコー以外の時計に搭載するムーブメントと
セイコーの時計に搭載するムーブメントで
キャリバー(ムーブメント番号)を変えています。
自社用のセイコームーブメントと
外販用のSIIムーブメントで分けてあります。
全ての種類のセイコームーブメントが
SIIから販売されているわけではありません。
セイコーでしか取り扱っているムーブメントは
セイコーのキャリバーでテクニカルガイドが手に入りますが
SIIからも販売されている品番だと、セイコーのキャリバーで検索しても
テクニカルガイドが手に入りません。
サイズ、スペック、石の数からどのSIIのキャリバーが
セイコーのキャリバーと一致するのかを探し出してから
テクニカルガイドを探す必要があります。
また厄介なことに、
SIIは英語もしくは中国語でしか公式サイトを公表していません。
さすがにセイコーとSIIのキャリバーを一致させる作業は
初心者には難しすぎます。
セイコー5で使われているキャリバーのテクニカルガイドは
各ムーブメントの説明部に添付します。
ぜひご活用ください。
7Sシリーズ
セイコーシリーズの8割くらいの時計が
この7Sシリーズのムーブメントが使われています。
7S26と7s36の2種類があり
この2つのムーブメントに共通するのは
・センター3針
・デイデイト
・パワーリザーブ40時間
・自動巻き
・手巻きなし
・セコンドハックなし…時刻調節時でも秒針は動きっぱなし
・21600振動…時間を測れても約6分の1秒までしかわからない
・日差-20 ~ +40秒
サイズや性能は全く一緒です。
ただ歯車の軸に使われている鉱石(人口サファイヤ)使われている
7S26は21石
7S36は23石
サイズや性能は全く一緒です。
もっと細かいことをいうと
少し古いセイコー5だと
7S26には
7S26Bと7S26Cが存在し
7S36には
7S36Bと7S36Cの合計4種類が存在します。
これらはBの方に使われていたパーツが廃番になり
新しいパーツでくみ上げられたのがCのムーブメントです。
22種類ものパーツが入れ替わり、
それぞれのパーツに互換性がありません。
骨董市などで古いセイコー5を買ってきて
自分でオーバーホールして使う際は
このBとCに気を付けて
改造を行ってください。
そこまでの改造は高度過ぎますね。
7Sシリーズはセイコーのみ取り扱いがありますので
7S26,7S36専用のテクニカルガイドが存在します。
おそらくSIIからは販売されていないのでしょう。
たしかに、手巻き機能がない自動巻きなんて
セイコー5以外で見たことないですからね。
4Rシリーズ
2010年に登場した新型ムーブメントがこの4Rシリーズです。
このムーブメントが搭載しているセイコー5
ロゴのSEIKO 5 SPORTSの
「SPORTS」の部分が赤字になっています。
今までのセイコー5だと、必ずデイデイト
日付と曜日表示だったのですが
この4Rシリーズのセイコー5には
稀にデイト機能、つまり日付のみの表示のモノが存在します。
(セイコー) Seiko neo sports SRPB91K1 男性用 自動巻き 時計 [並行輸入品]
ご覧のようにSPORTSの部分が赤いんです。
このロゴの時計は日付しか表記がありません。
以上のようにセイコー5定番のデイデイトに加えて
新たにデイトの時計も存在ことから
4Rシリーズのムーブメントには
機能別で5種類存在します。
3針(時針,分針,秒針)は全てに共通し
3針のみ
3針,デイト(日付のみ)
3針,デイデイト(日付,曜日表示)
3針,デイト,24時間計
3針,24時間計
これらをしっかりと見極めて時計の改造に挑まないといけません。
4Rシリーズのムーブメントは
・センター3針
・パワーリザーブ41時間
・自動巻き
・手巻き
・セコンドハック…時刻調節時に秒針も止まる
・21600振動…時間を測れても約6分の1秒までしかわからない
・日差-20 ~ +40秒
・24石
セイコー5で使われている4Rシリーズのムーブメントは
・3針,デイト
・3針,デイデイト
この2種類です。
3針,デイトのキャリバーは
セイコー:4R35
SII:NH35
3針,デイデイトのキャリバーは
セイコー:4R36
SII:NH36
デイトしかない時計にデイデイトのムーブメントを載せるのは問題ないですが
デイデイトの時計にデイトだけのムーブメントを載せると
文字盤に空白の窓が空いてしまいます。
ご注意ください。
仕様一覧をみると
4Rシリーズと7Sシリーズのムーブメントは
同じスペーサーを使っているっぽい?ので
本体の直径は同じです。
厚みも0.42mm厚いだけなので
大体の時計で入れ替えが可能のようです。
正直、SEIKO MODSの世界でも
ムーブメントを入れ替える例は数少なく
互換性が完全にあるとは言い切れません。
しかし、ボーイシリーズのSKXとSNKシリーズには
搭載できるようです。
また今度挑戦してみます。
4200シリーズ
セイコー5のレディースの時計に搭載されていることが多いです。
レディースのSEIKO MODSは一切見たことないですが
基本的にはメンズの時計と同じことができるでしょう。
4200シリーズのムーブメントは
・三針
・手巻き
・自動巻き
・21600振動
・21石
・日差―35~55秒
・パワーリザーブ40時間
あまりいじったことがないので、詳しくはありません。
あと、小さいムーブメントはできるだけ触りたくないんですよね。笑
4200シリーズ専用テクニカルガイド
直径が小さい分、すこし厚みがあるので
他の時計に汎用させるのも難しそうです。
レディースのセイコー5の改造をしてほしい!っていう
マニアックな女性ファンがいらっしゃいましたら
ぜひ私に施行させてください。
よく外すパーツの英語名
SEIKO MODSで針と文字盤を入れ替える際の詳細手順は、
またの機会に紹介します。
テクニカルガイドも手に入れ、いじりたくて仕方がないと思いますが
テクニカルガイドは英語が読めないと、正直何がなんだかわかりません。
ざっくりと手順と外すパーツを紹介します。
①裏蓋をあける
②ローターを外す
③丸穴車を外す(マジックレバーから解放する)
④こはぜと角穴車を制御しながら、香箱を解いていく
⑤オシドリを押して、竜頭〈巻き真〉を抜く
⑥針をとる
⑦文字盤を外す
これらのパーツがどこにあり、
どのように解体・組立をするか
テクニカルガイドで確認しながら
改造しなければなりません。
この手順の説明で用いたパーツの英語名を
まとめておきます。
文字盤 | dial |
時針 | hour hand |
分針 | minute hand |
秒針 | second hand |
裏蓋 | back cover |
竜頭 | crown |
角穴車 | rachet wheel |
丸穴車 | second reduction wheel |
コハゼ | click |
オシドリ | setting lever |
巻き真 | winding stem |
ローター | oscillating weight |
マジックレバー | pawl lever |
もちろんながら
ムーブメントが違えば、パーツの外す順番も違ってきます。
かならず、テクニカルガイドで確認してから
改造を行ってください。
行き当たりばったりに弄らないための
この記事を書いてますから。
いかがでしたでしょうか。
時計修理に関するブログさえ少ないのに
時計の改造の記事なんてもっと少ないんです。
正直、修理士でもSEIKO MODを知らない人はいくらでもいます。
針を入れ替えるなんていう概念すらない世界なので
意外とわからないことだらけなんです。
おそらく、セイコー5のムーブメントや改造に必要な情報を
ここまで日本語でまとめてある記事はなかなかないはずです。
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「へぇーこんなものあるんだー。」
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今日はこの辺で!
コメント
[…] 【SEIKO MODS】セイコー5の品番・ムーブメント・構造まとめ。 […]
はじめまして佐々木と申します、seikoのダイヤルとベゼル交換について調べていたらこちらのサイトにたどり着きました。
いくつかの交換記事を含めて読むとおおよその流れが把握でき理解がはかどりましたありがとうございます!
いくつか疑問が湧いたのでよろしければご回答いただければと思います。
ダイヤル交換方法はわかったのですがダイヤル自体の互換性等は実際に付け替える前に確認することは可能でしょうか?
具体的に言うとSeiko SRP601にMonsterのシャークトゥースのダイヤルを乗せることができるのか気になっています。
ムーヴメントは同じようなので可能なのかなと漠然と考えているのですが経験者の視点からアドバイスをいただけると幸いです。
佐々木様
お問い合わせありがとうございます。
SRP601とモンスターシリーズの文字盤は互換性ありません。
基本的にリューズの位置で文字盤の位置互換性はわかります。
SRP601はリューズが3時位置、
モンスターはリューズが4時位置ですよね。
ここで互換性を確認してください。
ちなみに、完全に不可能ってわけではありません。
干支足(文字盤についてる足のこと)を組み替えることができれば、入れ替え可能です。
干支足と同じ太さの針金を用意します。
針金の断面を平らにし、
ロックタイトまたは、金属用の接着剤で
貼り付けます。
このとき、ムーブメント側に針金を刺し、
針金の断面にインクをつけて
リューズの位置から文字盤を正確に合わせて位置取りします。
ほぼ確実に接着剤が漏れるので乾燥後カッターで漏れ出た接着剤を切り剥がせば加工終了です。
素早い返答ありがとうございます!
言われてみればリューズの位置が違いました…勉強になりました。
干支足の自作は少し難易度が高そうです…がせっかくなので挑戦してみようと思います。
質問を重ねてしまって申し訳ないのですがdial modによってはリューズが三時位置でも四時位置でも問題ない商品があるみたいなのですがそういった干支足の付け方があるのでしょうか?
お時間のある時で構わないのでご返答いただければ幸いです。
おそらくDLWとかで買うことができる
社外品の文字盤のことですよね?
あれは三時位置四時位置のどちらの干支足も付いていて
不要な干支足をを折って取り外します。
ぜひ、作業にまつわる細かい相談も
公式ラインで承りますので
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